こんにちは、さおり(@iropon30)です。
先日記事を拝見しました。その内容を読んで制作会社時代に
「数年後、Webがつくれるおばちゃんになりたいの?それとも課題を解決できる人になりたい?」
と何度も何度も言われて来たことを思い出しました。
どちらがすごいという話ではなくて、
「提案者でありたい」という気持ちをわすれないために、記事を書こうと思います。

作業者と提案者って?
上記の記事では「オペレーター型」と「提案型」と書かれていますが、私は「作業者」と「提案者」と言われていました。
私が思う作業者と提案者について紹介します。
作業者
作業者は「大まかに答えが決められていることをする人」だと思っています。クリエイティブなデザイン業務は「提案者」に分類されそうですが、「ワイヤーが決まっている、ターゲットが決まっている、トンマナが決まっている」ものをデザインするのであれば、それはもう「作業者」だと先輩に言われていました。
なので「ターゲットはシンプルなモノを好む若い女性なので、色味は抑えて…」というような内容もそれは「作業者」の部類に入ると私は思っています。だって戦略を考えていないんですもの。
提案者
提案者は「事業戦略から課題を紐解いて、デザインでどう解決するかを提案できる人」だと思っています。事業戦略の最大化をデザインでどう解決するかを考えること。つまりは「事業戦略と課題をデザイン(リデザイン)」出来る人だと。
今だから思うこと

この仕事をはじめたての頃、私はターゲットに合わせてデザインを考えること・コーディングのアニメーションを考えることもすべて「提案者」の仕事だと思っていました。
でも今はそれは「作業者」の仕事だと思っています。だって、事業戦略の課題を紐解いていないし解決しようとしていないんですもの。
なんでちゃんとターゲットに合わせてデザインしているのに!アニメーションも考えているのに!先輩は私のことを「Web制作ができるおばちゃんになりたいの?」と言うのだろうかと、悩んでいました。
今ならわかります。このデザインやアニメーションを考えるだけでは相手の事業を深く知ろうとしていないんですよね。
事業内容の上辺を聞いて、クライアントが思っているターゲットを聞いて、それにあわせてデザインしているだけ。
それは「Web制作ができるおばちゃんになりたいの?」って言われるわなと思いました。
「課題を解決する」って一言でいっても、かなり深いですよね。
相手の事業はどうはじまったのか、どういう展開を考えているのか、本当にその方向性のほうがいいのか?などなぜを繰り返していく。
そして、ネットショップ担当者から制作会社に行ったもんだから「他の事業をそんなに知らない」ので、すごくひーひー言っていたのを思い出します。事業をしる、考えるってすごく大変。わたしおバカだから時間かかるし。
夜遅くまで調べたり、壁打ちしてもらったり、本読んだりの日々です。そして同時進行で制作業務。
ほんときっつい仕事!!だけど、やめられないんですよね。好きなんです。
この頃の経験があるから今があるなーと思います。ありがとうございます、先輩。
運良くこういう事を言ってくれた会社に入れたことは、本当に良かったです。
代理店受けの、ワイヤーフレーム通りにデザインやバナーをあげていく仕事やコーディングを受ける会社に行っていたら
「課題解決だ!」という考えは持っていなかっただろうなと思います。
作業者が求められる場面
散々書いたんですが、作業者が求められる場面も多々ありますし、重宝されると思います。
ターゲットを正しく理解し、ワイヤーフレームからデザインを起こす
いやもう、重宝される仕事!間違いない。Webデザイナーが足りてない。そんな中こういう方が現れたら「オナシャス!」って感じです。これを求められているのに「課題を再度定義しましょう」なんて言っていたらもうアホ。アホの極み。実際に「これ課題違うでしょ」って思っても、ワイヤーフレームとターゲットを咀嚼して「デザインカンプ、どや!」って出来る人が求められているフェーズがある。間違いなくある。
難しいコーディングを実装できるひと
うつり変わりが激しい業界。保守性を考えられたコーディングや、難しい動きの実装など、こういう動きしてほしいんや!っていうのをさらっと実装してくれるコーダーさん。いや〜重宝される。間違いない。
そんな中「ここのデザインは課題を解決していないのでやり直したほうがいいんじゃ?」というコーダーさん、求められますか?クライアントにOKもらったのに。今言う!?みたいな。(いや、でも言ってくれるのはありがたいかも。ちなみに私は難しいことできんけど、言ってしまうタイプ。ごめんなさい。)
違う角度から見たら、どちらも「課題解決」なわけですが
難しい動きや保守性を考えたコードを書ける人も、ターゲットを考えワイヤーフレーム通りにデザインできる人も足りていない。
そういった意味では自分を客観視してそこにリソースを投下するのは課題解決視点だと思います。
だけど、本当にそういう目線でされている方って一握りだなーと思っています。
簡単な作業をパパッと安価でしてくれる人
「スキマ時間に家で稼ぎたい」「子供といる時間を増やしたいから今からWebデザイナーになる」「Web制作って簡単そうだから」という理由ではじめる人が、前述した「客観視してリソースを投下している人」に勝てるだろうか、いや勝てない。そういう風に思っている人にはそういう仕事しか回ってこないというのが持論です。
簡単な作業をパパッと安価で、それなりのクオリティでしてくれる人も、きっと重宝されるんじゃないかなーって。
クオリティーがそんなにない場合も、ITリテラシーの低い方とかには重宝されると思います。
何がいいたいかというと、作業者も「活躍する場所と相手」をきちんと戦略立てていれば、重宝されるよ!と言いたい。
提案者でありたい
ターゲットに合わせてデザインすること、コーディングしてブラウザに映し出されることは制作人としてとても好きです。
やってて目に見える形になるところですし、楽しいです。
だけど正解のない「課題は本当にこれでいいのか、どうしたら結果がでるのか…」などを考えるのは
難しい、苦しい、吐きそう、、、なことではありますが、今はそれも好きです。前は考えることから逃げてたけど。
たまに心のなかで「Webがつくれるだけのおばちゃんになってないよね?」と問いかけるキッカケをくれた先輩には感謝しても感謝しきれないなーと。そういう意味でも、道標をくれる方とのつながりは大切にしたほうが良いなとも思います。
いましていることは「作業者」なのか、「提案者」なのか、ということを自分に問いつつ日々の業務を行い、
手も動かせる「提案者」でありたいと思っています。