ザ・ファブル の 22巻に載っていた歴史家トレベリアンの
「教育は、本を読むことができるが、読むに値する本がそれかわからぬ人々を大量に作り出した。」 という言葉。
見た瞬間に、 昨今のWebデザイナーのコミュニティやサロン、スクールが思い浮かびました。
初心者向けのスクールやオンラインサロン、コミュニティって
You Tubeでは毎日のように「3ヶ月後にはWebデザイナー!」「私らしく場所を選ばず働ける」 「未経験からでも最短でプログラマーになれる!」など誇大広告のスクールが目立ちます。
それに対しての先輩方の意見は、嫌というほど見ているでしょうからあえてここではいいません。 すこし評判がいいスクールもあるかもしれませんが、個人的にはあまりスクールをおすすめしません。
もちろん、きちんと丁寧に、真面目に生徒さんに向き合っているスクールもあると思いますが、 私はいらないと思います。 理由は「稼ぐこと」「Webデザイナー」「プログラマー」になることが目的になっている気がするからです。
もちろんそうでない方もいますが、圧倒的にこのような方が多い印象です。
スクールに前向きになれない姿勢は実体験から
私はECショップに入社したとき、未経験のコーダー兼カスタマーサービスとして入社しました。
見様見真似でコーディング。当時はiframe とかを駆使していた気がします。 そのときに「もっとここをこうしたい!」「デザインもできるようになりたい!」と思ったのを覚えています。
なんとなくWebに興味があった理由も、中学生の頃になんとなく書いたアンカータグで、ここから世界と繋がれるんだ! と思っていて、こういうことを仕事にできたらいいなぁと。
そこから、モール内という自由度のないところが窮屈になり 徐々にWeb制作に興味を持ちはじめ、自分でホームページやWordPressの勉強、Adobeのソフトの使い方などを調べていきます。 このように「つくりたいもの」「やりたいこと」があるほうが断然取得のスピードがはやい気がします。
なので、つくりたいものがある、だからスクールやコミュニティーに入るのは受け入れられるのですが、「勉強の仕方を教えてほしい」「Webデザイナーになりたい!」「自由に働きたい」から入っている人は、なんだか違うなぁ、仕事では私と相容れないなぁと思ってしまう所存です。
まさに冒頭の「本の読み方はわかるけど、どの本を読んでいいかわからない」人だと、私は感じます。
初学者向けのオンラインコミュニティーやサロンやコミュニティの乱立
最近見ていて思うのが、初学者向けのオンラインコミュニティーやサロンの乱立です。 スクールのように高額でないので、良いかも!と思うかもしれませんが、本当にあなたに必要でしょうか?

私も何個かオンラインコミュニティーに入っています。どれも前向きな意見交換会という感じです。 別に立ち上げている方が教祖というわけでもなく、みんなでコミュニティーをつくっていく感じがとても良いなと思っています。居心地の良い場所というより、刺激的な場所のような気がします。
私はいま参加させていただいているコミュニティーは必要ですし、入ってよかったと思っています。 「なんでそうなんだっけ?」「数年後のキャリアをどう考えている?」と前向きな議論が行われるからです。(ちなみに無料です)
それに対して、初学者向けのコミュニティーはどうでしょうか? もちろん、いいコミュニティーもあるかもしれません。 入ってないのに文句言うなよ!と思う方もいると思いますが、言わせていただきます。
ひとり、孤独にならないというのも大事ですが、きちんと自分で咀嚼するということ「なぜ?」を考えられないのであれば、それは入らないほうがいいかなと思います。
居心地の良い場所を求めているの?
こちらの元情報商材屋さんがおっしゃるとおりだと思います。 加えて安価(入りやすい)なことなども挙げられますね。 あなたが入りたいのは「居心地のいい場所」でしょうか?自分に対して耳触りのいい言葉を言ってくれ、少し叱ってくれ、大丈夫大丈夫と声をかけてくれるところがほしいんですか?
もちろん一人にならないこと、挫折しないようにすることは大事ですが、
居心地のいい場所だけを求めるのではなく、きちんと自分で咀嚼する意見できる場にしていかないと、時間が無駄にすぎるだけだと思います。
時間を投資する価値はある?
私は初学者であっても、今でも大切なのは「時間」だと思っています。
いくら安価なコミュニティーだから、タダだから…と考えているのであれば、もう一度考え直してみてください。
あなたの時間を投資する価値はありますか?制作にあてたり、本を読んだりしたほうがいいんじゃないんですか?
本は自分で選んだ本ですか?コミュニティーの人がおすすめした本だけを読んでいませんか?
自分のロードマップもつくれないの?
たまに見るしたいことをヒアリングして「ロードマップをつくります」という謳い文句。
個人的には、自分で自分の事を考えられない人に、クライアントの事を考えられるのか?と思います。
ロードマップを自分でつくって確認してもらうならまだしも、自分のロードマップをつくってくれる!とコミュニティーに期待するのはナンセンスではないでしょうか。
しかも「目標がある方」と書いていて「就職したい」「フリーランスになりたい」
就職も、フリーランスも目指すものではないでしょう。なりたいものがあって、自分がどうありたいかを考えなければならないのではないでしょうか。
「作業者」と「提案者」を目指す人が入り交じる
ここまで書いて、なぜ自分が入っているコミュニティーに嫌悪感を抱かないかを考えてみると、みなさん「提案者」でありたいと思われているからだと思いました。

作業者が悪いとか、良くないということではないです。
ひとつの「Webデザイナー」という言葉でくくられているから紛らわしいですが、 お客さま、ユーザーの立場に立ってなにがしかの課題を解決する「提案者」になりたいと思う人もいれば、
きついことは嫌、それなりに隙間時間で役に立ちたい♪と考えている人とは相容れないと個人的には思います。クライアントが喜んでくれたから、「課題解決」ではないですからね。
初学者向けのコミュニティーって、偏見ですが後者が多いと思っていて、そういう人たちに優しい世界を提供している、大教したいと思っているコミュニティーの管理者さんも多いと思います。(口では厳しいとか言っていたりするけど)
何度も書いていますが、なぜとどうやるのかを問い続けられないと、この職業は難しいと思っています。
まとめ
少し思うことがあって、長く書いてしまいました。
もちろん、今はまだ道半ばと感じ、試行錯誤されている人がいるのもわかります。
ただ、どうも「作業者になる!」という方が増えてきているのに、
なりたい理由を聞いて、それは提案者だよね!!と耳触りのいい言葉で話を聞く、コミュニティーオーナーの多いこと。
そういう方々をコミュニティーに呼び込むベテランさんはどういう気持ちなんだろう。
業界をよくするため?恩返し?と言われますが、
個人的にはそういう作業者さんたちに目を向けず、サービスや働き方を考えて業界を良くして
もっと明るい人にドアをノックしてもらったほうがいいんじゃないかなと思っています。