Webデザイナーの就職活動は「実績・スキル重視」だと思っていませんか?
私は会社員Webデザイナーで志望動機や自己PRをたまに見たりしますが、
「○○できます!●●作りました!(だから雇って!)」といった未経験の方の志望動機や自己PRをよく見かけます。
実際、Webデザイナーの就職活動は「ポートフォリオ勝負」と言われ、実績や制作スキルは大切な要素であることは間違いありません。しかし、組織の中で一緒に働くという観点では「あなたの人柄や考え方」も、企業が把握しておきたい、ポートフォリオと同じくらい大切なポイントです。
あなたの志望動機や自己PRはあなたの人柄が垣間見えますか?少し見直せば、企業からの印象を変えることができるのではないでしょうか?
今回は未経験のWebデザイナーの方に向けて、志望動機や自己PRを作成する際に持っておきたい視点を紹介します。
制作スキル以外の強みはあるか
Webデザイナーにとって、「○○できます。●●作りました。」という自己PRやポートフォリオは、
センスを含めた「テクニカルスキル」の証明です。これは経験の積み重ねがものを言います。未経験の方ではどうしてもビハインドになってしまいますね。
一方で、「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」の2つはどうでしょうか。「ヒューマンスキル」とはコミュニケーションなどの対人関係能力。「コンセプチュアルスキル」はロジカルシンキングなどの概念化能力のことです。組織の中でプロジェクトを一緒に進めていく観点では、これらを企業にアピールをすれば、未経験の方でも他のデザイナーとの差別化を図れます。
企業において、企画からWebサイトへのアウトプットまでのフローは、一人で制作するよりも複雑で長いです。特に「人と連携する」ことは必要不可欠でしょう。ここで発揮される強みが「ヒューマンスキル」です。過去の経験から、あなたの強みは何だと言えるでしょうか。
また、複数の関係者がいると、ページの目的やイメージに至るまで、認識を合わせに労力がかかります。ここで「コンセプチュアルスキル」の出番です。この観点のあなたの強みはなんですか。
自己PRは、Web制作スキルだけでなく、「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」も踏まえて作成しましょう。Web制作スキルは企業側では最低条件かもしれません。

企業を知り、未来を考えているか
自身のスキルを見直したら、次は企業のことを考えましょう。就職することは「企業を発展させる仲間になる」ことです。「ただWebサイトを作っていればいい」わけではありません。Webサイトは企業を発展させるための一つの手段にすぎないのです。
あなたは、その企業や現在の事業について、どこまで知っていますか?どう思いますか?そしてどうしていけばいいと思いますか?「Webデザイナーとして働きたい」だけでなく、「なぜその企業のWebデザイナーなのか」という企業視点は志望動機に必須です。
企業視点は、企業の展開しているサービス・商品だけでなく、理念、中期戦略、その他表に見えない事業についても理解することから始まります。そして、それぞれに対して自分の考えを持っておきましょう。
自分が事業展開にどう関われるか、どう価値提供できるか

良い志望動機を作成するために最後に行うことは、ここまで見直してきた「自身のスキル」と「企業の事業」を掛け合わせることです。企業が選考で見たいのは「あなたが自社で働くイメージ」です。
ここまで考えた「自身のスキル」「企業の事業展開への考え」を用いて、「御社の事業展開について~~と考えます。そのために私は~~~のスキル・強みをもって~~~していきます。」を作文してみましょう。
ここまで言えると、企業の採用担当者が一目置く存在になれます。あとは、文章の推敲や、面接の練習を行い、自分の言葉で、心から語れるように準備していきましょう。

広い視野を持って自分のことを伝えよう
いかがでしたか?ここまで、Webデザイナー未経験の方の志望動機や自己PRについて、見直したい点を述べてきました。ご自身の志望動機や自己PRを見てみて、「足りないな」と思った点はあったでしょうか。
未経験な方ほど「Web制作スキル」に目がいってしまうのは当然なことです。それだけあなたが高スキルのデザイナーになりたいと思っている証です。最初の機会を獲得するのが難しい業界で、チャレンジされていることは素晴らしいと思います。
しかし、その努力があなたの視界を狭めていることを知っておいてください。企業はWebデザイナーに何を求めているのか(制作スキルだけではないはず)。あなたの志望動機や自己PRは相手にどのように映っているのか。相手の視点に立つということもビジネスでは必要なスキルの一つですね。
そして、就職がゴールではないことも頭に入れておいてくださいね!
もし、この記事を読んで、自身に取り入れられることがあると思った方は、さっそく見直して次の採用試験に臨んでみてください!