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Coinhive事件で思うこと

こんにちは、さおり(@iropon30)です。

今日はCoinhive(コインハイブ)事件について、わたしが思うこと、改めて考えたこと、これから気をつけなければと改めて気持ちを引き締めたことを書いていきたいとおもいます。

目次

Coinhive(コインハイブ)事件とは?

2022年1月20日、自身のウェブサイト上に他人のパソコンのCPUを使って仮想通貨をマイニングする「Coinhive(コインハイブ)」を保管したなどとして、不正指令電磁的記録保管の罪(通称ウイルス罪)に問われたウェブデザイナーの男性の上告審判決が、最高裁第一小法廷(山口厚裁判長)であり、無罪となった事例。

詳しくは下記記事にて

弁護士ドットコム
コインハイブ事件、最高裁で無罪に 男性「心底安堵しています」戦い振り返る - 弁護士ドットコムニュース 自身のウェブサイト上に他人のパソコンのCPUを使って仮想通貨をマイニングする「Coinhive(コインハイブ)」を保管したなどとして、不正指令電磁的記録保管の罪(通称ウイ...

また、平野先生が書かれているコインハイブ事件における弁護活動 がこの事件のはじまりからのことを追えるので目を通してみてください。とても面白く、引き込まれる内容です。

また、判決文全文は最高裁HPに記載されています。

最高裁の判決が出るまでに思っていたこと

略式起訴で罰金10万円となっており、有罪とはなるものの、裁判費用や労力・時間などを考えると略式起訴内容を受け入れたほうが楽だと思います。しかし、有罪を受け入れれば、日本の今後の技術躍進は諸外国に比べますます置いていかれるんだろう。それだけではなく、上記のコインハイブ事件における弁護活動 に記されているように、Google AnalyticsやAdSenseを設置しただけで罪に問われる可能性があるので、自身の仕事やブログ運営にも大きな影響を及ぼすものだと思っていました。ユーザーのマシンに影響を与える機能に事前同意が必要なのは原則だとしても、ルール整備がされていない中で、いきなりの訴訟はどうなんだろう…と。

もちろん私は無罪判決が出ることを願っていました。

ですから2022年1月20日に無罪判決がでた際には、「お疲れさまでした。Web制作に関わる全ての人のためにありがとうございました。」と思いました。そして、Twitterやニュースサイトを見るに、そう思っていた技術者の方は多いなと感じました。

Coinhive(コインハイブ)を設置することに対してはどう思うか?

無罪判決を願っていて、無罪であることを喜んだひとりではあるのですが、Coinhive(コインハイブ)が自身がアクセスしたサイトに設置されており、プログラムが動いていたら「気持ちの良いものではない」とは思います。

ただ、目に見える広告(Google AdSense など)とどちらが良いか?と言われると、悩みます。実際Coinhive(コインハイブ)がCPUにかける負担なんて僅かで、見た目の問題だけで言えばCoinhive(コインハイブ)のほうが良い気がしています。

実際に広告配信に取って代わる新しい仕組みとして当時取り上げられていました。見た目としてはもちろん、UXとしても見せ方、世間の目次第で良い仕組みになりそうだなぁと今でも思います。

実際にスマホでサイトを見ているときに、いきなりモーダル表示で広告が流れてくるのにはうんざりします。それでも見たい内容だったら見ますが、(コインハイブより)気持ちの良いものではありません。

ただ、広告も本当に見たいもの、買いたいもの、申し込みたいものが表示されることもあるので、すべて見ないという選択肢はとりたくないなぁというのも事実です。

Coinhive(コインハイブ)の開発は終わっており設置できませんが、デザイナーとして、ユーザーに対してどのように合意をとるか、設置していることをどのように記載するかなど考える部分は大いにあると思いました。

広告の設置意義とは

なぜ広告を設置するのか。サイト運営者によって理由は様々ですが、私は「運営やブログ執筆のモチベーション」として広告を設置しています。

また事業運営をしている会社からすれば、メイン事業とは別に収益をつくり、その収益からまた新しい事業や人材への投資として使用し、事業を大きくするという役割もあると思います。

私も「たまたま広告で見て買った、その商品が良かった」という体験は何度もあります。デザイナーとして事業もデザインし、その中で広告収益がどのような効果をもたらすのか、ユーザーに対しては?など考えていく必要があると思いました。

クライアントワークとして考えること

なかなか「Google AdSense設置して!」ということをクライアントワークでは言われることは少ないです。そもそも「収益をあげたい!」と思っているサイトに、自社以外の広告がでるのはナンセンスだと思っています。

少しでも離脱がおきないように、少しでもCVが増えるようにとあの手この手を考えてWebサイトは制作されているはずです。

ただ、Coinhive(コインハイブ)だったら?新しい広告収入の仕組みだったら?もしニュースや話題になって、「設置するだけで儲かる仕組みがあるんだろう?」なんて言われたら、どうでしょうか。

そして今回の件のように「罪に問われる可能性」があるとしたら。

クライアントワークをする身(複業ですが)として、他人事ではないと思っています。クライアントさんから言われたら?もし罪に問われたら責任の所在はどちらなのか?

発注いただく立場として弱い部分も当然ありますが、クリエーターが不利にならないためにも、事例を頭にいれておいたり、契約書を準備する。もし先方さんから契約書がきた場合はチェックしすぎるくらいがちょうどいいと思います。

たまに「このキャラを参考にしてイラストを描いてほしいけど、著作権で訴えられたら描いたあんたが責任とってね!」みたいな契約書が存在すると聞きます。いや本当に、何ほざいとんねん!という話なのですが。全部頭にいれるのは大変ですが、よく聞く事例などは頭に入れておいて、損はないはずです。

まとめ

記事にも書かれている「日本のインターネットに対して汚点のような判例を残さずに済んだ事に心底安堵しています。」という言葉に、全てが詰まっていると思います。

私たちWeb制作者のために戦ってくださった、そんな事例だと思っています。

ただ、無罪判決が出たからと言って何でもアリというわけではなく、クライアントワークにしても、一会社員としても、今後より一層気を引き締めないといけないなと思いました。

またこの判例を機会に、技術躍進のための「ルール整備」が明るい方に向かってほしいなと願っています。

この度は、戦ってくださってありがとうございました。おつかれさまでした。

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この記事を書いた人

インハウスデザイナーとして奮闘している昭和生まれ。日々精進・日々勉強をモットーに、制作人生を謳歌しています。いまはサービスつくってみたい!という衝動に駆られています。

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