こんにちは、さおり(@iropon30)です。
事件です!
ブログにリクエストいただきました。嬉しい!感無量です。
当社比5倍の力を入れて書かせていただきます。いや〜〜嬉しい!!
もし、こういうこと書いて!ということがあればこちらだったりTwitterのDMでも何でもご連絡ください。
書けそうな話題でしたら喜んで書きます。それこそ当社比数倍で!
ただ興味の無いことは書けないのであしからず…(どのスクールがいい?とかは無理…)
今日はリクエストいただいた「駅や電車の広告を見て、どういう風に思うの?」ということを書いていきます。
私はどちらかというと、ここは黄金比?ここの色は?など細かく考えるタイプのデザイナーではなく、どういう戦略なんだ?と考えるタイプの人間です。それではまずは電車の窓上ポスターから書いてみます。
電車にあった「マンガの窓上ポスター広告(B3ワイド)」について考える
電車の窓の上にある通称「窓上ポスター」。B3サイズ、B3ワイドが多く見られます。今回見たものはB3が横に2枚連なっているB3ワイドサイズです。

窓上ポスターは電車を利用する人に向けた広告です。毎日電車を利用するビジネスパーソンや学生はもちろん、主婦など不特定多数にアプローチできます。乗客は一度電車に乗り、目的地につくまで「座る」または「立つ」状態で一定の位置に留まるはず。そのときに窓上ポスターが目に入り、気になれば最後まで広告を読む…ということが期待できるでしょう。
用途としては不特定多数の方へ「あれ?なんか見たことある!」といったような、視認訴求効果が見込め、認知向上やキャンペーン、ブランディングなどに役立つ広告媒体です。
その窓上ポスター広告にあった、マンガ広告。どんな広告か画像を掲載できたらカンタンなのですが、それはできないので言葉で説明します。
どんな広告だったの?それを見てどう思ったの?
- 自社(グループ会社)の広告
- バスの情報をリアルタイムで知ることができるバス位置情報システムをお気に入りに入れよう!と訴求する内容
- 4コマ漫画でストーリー性になっている(が、ストーリーが良くわからないし、絵もお世辞にも上手いとは言えない)
- B3ワイド、窓上広告
- バス位置情報システムにリンク(されるであろう)QRコード付き
これを見てどう思ったかを書いていきます。
いつもの考え方に当てはめても、どうも目的がしっくりこない…それはなぜだろうと考えてみます。
(いつもの考え方は下記の記事へ!)

とっても違和感があった
バス位置情報サービスをお気に入りに入れよう!という訴求ポイントは理解できても、なぜ窓上広告(しかもワイド)なのかが全く理解できませんでした。
目的が「バス位置情報サービスをお気に入りに登録してもらうこと」だとすれば、もっと適したやり方があるのではないか?というか、窓上広告にQRコードつけても読み込めないよ…(というか読み込んでいたら変な目で見られそう)と思ってしまいます。例えばバス停に同じ内容の広告を掲載するというほうがスマートでは?ともやもやしていました。
「マンガで、このバス位置情報サービスで、とりあえずなんとなくわかるストーリーでよろしく!」という発注がなければこの広告にはならないのでは?「マンガ」で「バス位置情報サービスを訴求する」ことが決まっていて、そこに肉付けしていったような感覚を覚えました。むしろ別にバス位置情報サービスでなくていいから、マンガで自社サービスの何かつくってよ!という感じにもとれました。
もう少し深く考えてみた
この広告の目的は「マンガでB3ワイドの広告をつくってよ!」という発注のもとつくられた広告なのか?と考えてみます。一体なぜ?とぐるぐる考えてみるとひとつの仮説が浮かびました。
まず、コロナ禍で電車利用者が減ったのではないか?と仮定しました。そうすると、電車の利用者が減ったから広告出稿数も減ったのでは?いつもは広告を掲載している場所に空きが出てしまう、そんな時に便利な自社(グループ会社)広告!
空きを彩る広告が欲しい!けど、イメージキャラクター(芸能人)をお願いするほどお金もかけられない、うーん…マンガだ!イラストだ!発注するとお金もかかりそうだから、社員のだれかに描いてもらおう!(またはけっこう安めに発注しよう!)
という風に考えたのでは…?
自社グループの広告は、広告出稿数が減ったものを補うため。そのためそんなに予算はかけられない。お世辞にも上手いと言えないマンガなのも、多くあるようにみせるため。そしてお世辞にも上手いとはいえないマンガも、数少ない広告出稿してくださる方の広告を目立たせるためだとしたら…自分の中ですべて納得できました。
という風に、この仮説や考えが当たっているかはわからないけれど、このように仮説を考えるのは楽しいですし大切だと思っています。そして仮説はあくまでも仮説なので、思い込まず・盲信せず間違っていると思えばきちんと考えを改めることも大切だと思っています。みなさんも広告分析、楽しいのでぜひやってみてほしいです。
毎朝地域最安値をウリにしたジムが、街頭チラシを配っていることについて考える
リモート勤務が多めですが、コロナが落ち着き出社する日数も増えてきました。
会社の最寄り駅で下車した時に、「地域最安値のジムがオープンしましたー!」とチラシを配っています。

もう3週間は出勤時&退勤時に配っています(もしかしたら日中もいるかも)。
これ、とっても無駄じゃない?と思ってしまうのは私だけでしょうか…
無駄と思う理由と、他の対策は何があるか?を考えてみます。
どんなジム?
あまり職場の近くでジムに行くという考えがありませんでしたが、(チラシを配る行為に)興味を持ってしまったので
チラシを貰いました。
もうターゲットも何もあったもんではなく、とりあえず情報を詰め込めるだけ詰め込んでみました!というチラシでした。もらって開いた瞬間「これやばぁ!」と声を出してしまったのは秘密です。
こちらもチラシを掲載したいのですが、できないので文字で書いていきます。
- 月額2980円
- 24時間営業
- 日本人にあったジムマシンだよ!
- やすさの他にも色々続けられる仕組みがあるよ
- 老若男女だれでもどうぞ!という感じ(一面に老若男女大集合!!)
- 先着400名様に入会金・事務手数料が無料になるキャンペーンを広告限定で行っている
どんな人がターゲットなんだろう?
たくさん利用してくれる人よりも、それなり…くらいの人、もっというと幽霊会員のほうがジムにとっては嬉しいかも知れません。
他にも初心者でも、女性でも安心して続けられる!と言った内容が書かれており、「今行っているジムから変えてみては?」というよりも「はじめて(久しぶりの)ジム、安いほうがいいよね?」というアプローチに感じました。
というかターゲットはどんな人でも良くて、とりあえず会員を増やしたいんだろうなと。月額6000円とかだと行かなくなったら解約する金額ですが、2980円!いつか行くかも知れないしとそのままにしている人も一定数いそうな金額を設定しているなーと。
チラシからも受け取れるように誰でもいいんです。とりあえず会員になってほしい!より多くの人に。
そうした時に、毎日朝夕駅前でチラシ配りをしていることは、本当に効率がいいことなんでしょうか。
適切な広告媒体を選定して、適切なアプローチで発信する
本当はジムはどういう基準やポイントで選ぶべき?というのを調べるべきですが、ちょっとすっ飛ばして…
とりあえず誰でもいいから会員になってほしい。できれば毎月(どういう形であれ)継続してくれる人になってほしいと店側が思っているとしましょう。そうするとこんな不特定多数がターゲットのチラシを1種類つくり、毎日朝夕(昼もいるかも)駅前でビラ配りするよりも、色々な広告媒体を使用しながら効果を測定していくほうがよっぽどいいのでは?と思います。
年齢別、性別ごとに何が適切な広告媒体を選定し(SNSや地域の掲示板、チラシ、ポスティング etc…)、そこに設定したターゲットごとのクリエイティブを準備する。消費者に共感してもらい、行動を促す広告にしなければ、意味がないと思います。
ちなみにチラシに○○で検索!と書かれているキーワードを検索すると、キーワード広告で一番上に出てきましたが、オーガニック枠には出てこなくて、代わりに競合がうじゃうじゃ出てきました。
広告でアクセスするのは悪いと思い、チラシのQRコードからLPにアクセスしました。LPのURLはサブディレクトリに設定されていたので、そのサブディレクトリを消し、TOPページ(であろう)URLにアクセスしても何も書いていませんでした。
チラシの制作、チラシの配布する人件費、印刷費などを考えても、もうすこし他のことができるのでは…と色々考えたりします。
見るのはポスターやチラシ、Web広告だけではない
何か宣伝しようとしている事象に対して、あれはどういう意味が…?と考えるのは、無駄にはならないと思います。
そして、デザイナーとしてポスターやWeb広告のバナーだけではなく、「チラシを配る行為」「駅前で看板をもつ行為」や「宣伝カーを走らせる行為」などにも視野を広げて見ていくのはとっても重要ではないかな?と思います。
色んな事を考えると、お客さまに「ホームページをつくりたいんだけど…」と相談を受けたときに「もっといい方法」の提案の選択肢が増えますよね。
あのWebデザインは、何でメインカラーがこの色で、ここに游ゴシックのメインコピーを置いて…と考えるのももちろん大事ですが、視野を広げてWebデザインだけでなく、戦略部分から考えることができるようになるのも提案や自分のキャリアの選択肢を広げるきっかけになるのではないかなと思います。